日本ではニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種が飼育されていますが、養蜂(業)で多く飼育されているのはセイヨウミツバチです。
同じミツバチですが、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの習性は大きく異なります。
ニホンミツバチは日本固有種で、昔から日本にいる蜜蜂ですが集蜜量と習性から養蜂(業)には向きません。「野生」という言葉が当てはまり、ダニの感染にも強く、オオスズメバチに襲撃されても撃退できる術を持っています。野生なので世話をする必要が無い事から、週末養蜂などでも人気です。
セイヨウミツバチは養蜂業に向いており、採蜜量も多く管理の手間は多少掛かりますが、計画的に飼育が可能です。抗ダニ剤やスズメバチへの対策が必要ですが、養蜂道具もある程度揃っています。
一般的に言われる働き蜂は全てメスです。女王蜂を筆頭に、育児・清掃・採蜜・熟成・巣の見張り等、全てメスのミツバチなのです。
1つの巣に1割程度のオスのミツバチが居ますが、オスは全く働きません。そして針も持っていないのです。刺すのは全てメスの蜂です。
そしてオスは越冬前に巣から追い出されて死んでしまいます。
「ミツバチが絶滅すると人類は4年で滅ぶ」
ミツバチは蜂蜜を集めるだけではありません。もっとも重要な役割がポリネーション(受粉)です。
植物の受粉にミツバチは多く影響しています。ハウス栽培では蜜蜂を購入したり、養蜂家から借りたりしているのをご存知ですか?ハウス栽培のイチゴ狩りなどに行く蜜蜂を見ることができます。
人間の手で受粉を行うとすると、どんなに手間が掛かるでしょうか?そして何より露地栽培や自然の草木は蜜蜂たちよって受粉がなされています。もちろん蜜蜂だけではなく他の昆虫による受粉もあるので全てでは無いですが。
一つの巣に女王蜂は一匹
春から夏にかけて巣の中はミツバチでいっぱいになります。約10万匹としても女王蜂は一匹だけです。残りは全て働きバチ、1割程度が働かないオス蜂です。産卵するのは女王蜂1匹だけで1日に1000~2000個の卵を産みます。そして卵を産むスペースがなくなれば新しい女王蜂を作ります。
新しい女王蜂が生まれると、先代の女王蜂は巣の半分の働きバチと共に巣を出て、新しい巣を探します。常に巣には女王蜂が1匹しかいない状況を作ります。